こんにちは!とり天です!
皆さんはストレスと聞くとどのようなイメージをお持ちでしょうか。
「減らした方が良い」
「体に悪い」
などマイナスなイメージがほとんどではないでしょうか。
実際、僕もストレスについて理解をする前には、
“なるべく感じないようにしたい”“避けて通りたい”と考えていました。
しかし、最新の科学ではストレスに対する捉え方で身体や精神に与える影響が変わることがわかっています。
当記事では、ストレスについての考え方を整理しつつ、ストレスとの上手に付き合うための方法を紹介していきます。
・頭が働いてないと感じることが多い。
・誘惑に負けてついついしたくない言動を取ってしまう。
手早く記事の内容を理解したい人は、
記事の要約をご覧ください。
1.ストレスとは何か?
国語辞典でみると、
「物理的・精神的な刺激によって引き起こされる生体機能のひづみ。またそれに対する防御反応。」(出典:明鏡国語辞典)と書かれています。
また、スタンフォード大学の心理学者であるケリー・マクゴニガルさんは「スタンフォードのストレスを力に変える教科書」の中で、
「ストレスとは、自分にとって大切なものが脅かされた時に生じるものである」と説明しています。
ストレスという言葉は一般的に広く知られている言葉であるが故に、その使われる環境や場面によって異なる意味合いを持ちますが、本記事の中でのストレスの定義も上記のように考えていきたいと思います。
一般的にストレスを感じると、精神的・身体的に悪影響があるとが考えられています。 では、ストレスによる精神・身体面に与える悪影響とはどのようなものなのでしょうか。
2.ストレスによる”悪”影響
- 免疫力を始めとする生体機能の低下
- 脳の処理能力の低下
2-1.免疫力を始めとする生体機能の低下
ストレスにより私たちの自律神経の働きが乱れます。メカニズムとしては次のような仕組みによるものです。
- ➡︎緊張状態になり交感神経が優位に働く。
- ➡︎長時間続くとホルモンバランスが乱れる。
- ➡︎外部の刺激に対して十分な反応ができなくなる=免疫力が低下する。
また、自律神経が乱れる=正常に働かなくなるということは、 自律神経が担っている生体機能が正しく機能しないことを意味しており、具体的には下記のような生体機能に影響を及ぼします。
自律神経が担っている生体機能
- 温度調整(汗をかく、震える)
- 胃や腸などの内臓の働きの調整
- 血圧の調整
- 呼吸の調整
上記のような、普段私たちが自分でやろうと思わず勝手に体が調整している生体機能を担うのが自律神経であり、ストレスはこの自律神経に悪影響を与えることが知られています。
2-2.脳の処理能力の低下
- 認知能力の低下(=計算能力や論理的な判断能力の低下を招く)
- 実行制御力の低下(=自己破壊的な行動を招く)
認知能力の低下
少し簡略的に紹介ですが、
センディル・ムッライナタン氏とエルダー・シャフィール氏が行った実験
低所得者に対してお金に関する不安な情報を与えると、実験内で行った知能検査のスコアが平均してIQ換算で13ポイント近くも下がってしまったそうです。
この低下は、徹夜による認知能力の低下よりも影響が大きく、IQの分類で言うと「平均」と言われるグループから「知的障害の境界線」と言われるグループに落ちる程度のIQの低下だと言われています。 (※元データではなく、引用された本を参照しています。)
認知能力が低下するということは、記憶や言葉においても影響を与えることを意味しており、会話において言葉が出て来なくなったり、名前や場所などがすぐに出てこないなど日常の生活に影響を与える可能性もあります。
実行制御力の低下
私たちは、ストレスにより恐怖や不安を感じるとストレスを避けようとして、普段はやらないような自分にとってためにならないことをしてしまいます。
これは自己破壊的な行動と言われています。
実験において、
肥満女性に対して、肥満に関するネガティブな記事やニュースを見せると、肥満に関連しない別の記事を見せた女性よりも2倍のカロリーの量のジャンクフードを食べてしまったそうです。
上記の実験のように、ストレスにより精神的に追い詰められると、自己破壊的な行動をとりやすくなります。
日常においてダイエットや勉強を継続的にしようと計画して一度失敗すると、余計に食べたり一切勉強しなくなることを経験したことはありませんか?
これは失敗したことで「自分はどうしようもない人間だ」「何をやっても上手くいかない」と自分を責めるストレスの結果、自己破壊的な行動に繋がってしまった結果だと言えます。
他には疲れている時などに限って、夜だらだらと動画を見てしまうことも同じことが原因だと言えます。
仕事や勉強などの疲れがストレスとなり、早く寝るべきだという気持ちに反して、だらだらと起きて自己破壊的な行動を取ってしまうのです。
3.ストレスは実は悪くない!?ストレスによる好影響
- ストレスは捉え方次第
- ストレスによる身体の反応
- 困難に上手く対処する
- 人とのつながりを強める
- 学び成長する
3-1.ストレスは捉え方次第
実は、先程の“悪”影響の章で書かれている実験では、不足している要素がことを示す研究事例があります。
不足している要素とは、被験者のストレスに対する考え方です。
ストレスに対する考え方とは以下のように整理されます。
ストレスをマイナスに捉える
就職活動や受験における面接の前には、緊張して体が震えることがあると思います。
この時、上手くやらなくてはいけないという気持ちがストレスとなり、思うような力を出せなくなると考える人が多いのではないでしょうか。
これは、ストレス(=緊張により体が震えること)が良くないことだと考えている結果であり、ストレスをマイナスに捉えていることの具体例の1つです。
ストレスをプラスに捉える
大一番などで緊張した場面などで体が震えるときに「武者震い」すると言った表現を使うことがありますが、この表現はどっちかと言えばプラスのイメージを持っています。
戦いに赴く主人公が格好を付けるためだったり、勝負事を楽しめているようなイメージですを与えます。実際、その方が本来以上の力が出せるというイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。
これがストレスを良いことだと捉えていることの具体例です。
そして、このようにストレスに対して良いイメージを持っている、ストレスが人生の役に立つという考えを持っている人にとっては、ストレスは必ずしも毒になりうるわけではないのです。
3-2.ストレスによる身体の反応
実験でも、 ストレスに対してプラスのイメージを持っている人と、ストレスに対してマイナスのイメージを持っている人では 分泌されるストレスホルモンのバランスが変わることが示されています。
ストレスに良いイメージを持っている人
ストレスに良いイメージを持っている人はデヒドロエピアンドロステロン(DEHA)が多い状態になりやすいそうです。
このホルモンは、脳の成長を助ける男性ホルモンで、脳が成長することを促します。
ストレスに悪いイメージを持っている
ストレスに悪いイメージを持っている人はコレチゾールが多い状態になります。 このホルモンが慢性的に多い状態が続くと免疫機能の低下や不安症や、うつ症状が現れることがあります。
いずれも人間が生きるためには必要なホルモンではありますが、それぞれの機能の観点からコレチゾール優位な状態が長いよりも、DEHAが優位な状態が長い方が人体へプラスに働きます。
つまり、ストレスに対するイメージ・見方次第で、ストレスは薬にもなりうるのです
。
外部の刺激や精神的な刺激・変化に対して人がどのように反応するのか、いわゆるストレス反応にはどのようなものがあるのでしょうか。
3-3.困難に上手く対処する
外部の刺激に対する反応(ストレス反応)として、最も有名なものが「闘争・逃走反応」です。
これは生存本能の1つです。身の危険を感じた際に体や脳を素早く動かすための準備を整えるためのものです。草食動物が肉食動物からいつでも逃げれるように、注意力を高めたり、逃げる姿勢を取ったりするための生体機能だと言えます。
面接や試験前のドキドキはこの反応の一種です。 呼吸が浅くなったり、胸がドキドキするのはアドレナリンが分泌されて交換神経が活発になるためです。
心臓がドキドキする・呼吸が浅くなるなどの身体的な反応は緊張で体が動かなくなる状態ではなく、
体のエネルギーを総動員して目の前の危機(問題)に対処しようとしている状態
と考えられ、このようにプラスの効果を信じることで、高い集中力や処理能力を発揮することができるようになります。
3-4.人とのつながりを強める
ストレスを感じると人とのつながりを求める気持ちが強くなることもわかっています。
これはホルモンの一種である「オキシトシン」が分泌されるためです。
オキシトシンは恐怖による体のすくみを抑える働きがあります。この機能は恐怖を前に体を動かす機能を止めないための仕組みだと考えられ、自身だけでなく家族や仲間を守るためにも求められる生体機能だと言えます。
そういう意味でも、オキシトシンは「人とのつながり」を強くする=向社会性を活性化するホルモンであり、主な働きは以下の5つです。
オキシトシンの働き
- 周りの人の感情や気持ちに気づき理解する力を高める
- 大切な人への信頼を高める
- 相手を思いやることで得られる心の温もりをいっそう感じられる
- 恐怖を和らげ勇敢にしてくれる
- 心臓細胞の再生や、微細損傷の修復に役立つ
3-5.学び成長する。
上記2つのストレス反応が完了すると(つまり、困難への対処が完了すると)、体は平常時へとホルモンバランスを戻そうと機能します。
平衡状態に戻る際は、経験した感情・出来事から何かを学ぼうと、
学習と記憶を司る脳の領域が活性化されます。
その活性化の間は、起きた出来事を再現し、感情が激しく変化すると言います。その間脳は、次に類似したことを経験しても上手に対処できるように、しっかりと経験を記憶しようと努めます。
このように体と脳が大変なことが発生した際に、そこから学ぼうとすることは心理学では
「ストレス免疫」というそうです。
ストレスを味方にするためには、まずはストレスによるプラスの効果を知ることが重要です。
というのも、このプラスの効果を知らないと、ストレスをマイナスのものだと避けようとしてしまい、脳・体が拒絶反応を示すことになります。
このような拒絶反応を避けるためにも、ストレスによる効果を理解してあげましょう。
ただ、それでもやはり精神状態や疲れなどにより、 ストレスを“悪者”扱いしてしまうことは起きてしまうかもしれません。そんな時には次のような方法でストレスを力に変えてみてください
4.それでもやはりストレスを感じてしまうアナタに
- ちょっとしたストレスを味わう
- 動物や植物を見る
- 運動してリフレッシュする
- しっかりとした睡眠をとる
4-1.ちょっとしたストレスを味わう
まず、おすすめしたいのは、冷水を浴びること OR 冷水で顔を洗うことです。
冷水による刺激は免疫を高めるだけでなくリフレッシュする効果があります。
また、冷水を浴びることを続けることで体や精神の変化を実感することは、
気持ちを前向きにしたり何かに挑戦するには非常に効果的だと考えられます。
と言うのも、どんなに大きな目標であっても1つ1つ積み上げることでしかその目標を達成することはできません。
自らの挑戦(この場合は冷水を浴びる)により少しづつ変化していくこと(体調・精神の向上)を自分の中に感じることは、何事も自分の努力次第で解決できるという自己効力感の上昇に繋がると考えられます。
大きい目標を達成しようとしているときほど、
小さな積み重ねや挑戦を成功させ、挫折し辛いメンタル作りを心掛けると良いと思います。
4-2.植物や動物を見る
自然を感じることは、日常から切り離されることで時間に追われている感覚から解放されることでストレスを和らげる効果があります。
また、1日数分間の動物を見ることでも、ストレスが和らぎ仕事の効率がアップしたという研究もあります。
動物も植物も動画などのコンテンツでも問題ないので、昼休みのちょっとした休憩時間などに見てもよいでしょう。
4-3.運動してリフレッシュする
運動によるストレス解消効果があることを多くの方がご存知かと思います。 これは一定時間(だいたい30分程度)の運動によりセロトニンが分泌されるためだと言われています。
セロトニンは神経伝達物質の1つであり、精神的な安定をもたらす効果があり、
自己を制御する能力や知覚能力を正常に機能させる効果があります。
セロトニンの分泌を高めるためには、日の光を浴びることや適切な睡眠を取ることも効果的なので合わせて実践することもよいでしょう。
4-4.しっかりとした睡眠をとる
睡眠が不足することで集中力が低下する。加えて、睡眠不足は脳の働きを落とすため自己破滅的な行動をとってしまうきっかけになります。
十分な睡眠をとるためには、睡眠のためのきっかけを作るのが非常に大事です。
我が家ではHueと言われる、電灯システムを使っており、
指定した時間になると家の電気が徐々に暗くなり、一定の時間になると消灯するようになっています。
また、朝の特定の時間になると電気をつけることもできるので、睡眠のリズムを機械的にたもつことができるようになります。
睡眠の質が悪いと翌日にも疲れや体の不調を持ち越すことにもつながり、結果的に悪循環につながりやすくなります。
そこで、15分から20分程度の昼寝を行うことで、体の疲れを軽減し昼間の作業の効率アップや、夜間の睡眠の質の向上にもつながるので、試してみるのもよいでしょう。
記事のまとめ
・ストレスの捉え方によって、ストレスは薬にも毒にもなる。
・ストレスの悪影響として、生体機能の低下や脳の処理能力の低下がある。
・ストレスを良いものだと捉えていると、「困難に上手く対処する」「人とのつながりを強める」「学び成長する」能力を高めてくれる。
・リフレッシュのためには、運動・睡眠や動植物の観察などが効果的。
参考にした本
終わりに
いかがだったでしょうか。
皆さんのストレスに対する考え方が変われば何よりです。全てを実践に移す必要はなく、そのことを意識してあげるだけでも十分に効果があります。
不明な点や、何が間違い等ありましたら、問い合わせから連絡をお願いいたします。
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