こんにちは!とり天です!
多くの社会人や就職活動中の大学生の方など、
“論理的思考”や“ロジカルシンキング”という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。
また、教育課程でプログラミング教育が必須になり、小中学生をお持ちの親御さんも
“プログラミング的思考”や“論理的思考”を耳にはさむようになったのではないでしょうか。
一度は聞いたことがある“論理的思考”。
どのような考え方を言うのでしょうか。
当記事では、
・小中学生が学び、身につける論理的思考とは何か?
・多くのビジネスシーンでなぜ論理的思考が必要なのか?
について説明していきたいと思います。
・小中学生が学び身につけることを求められる論理的思考とは何かを理解したい方。
・話を短くまとめるのが苦手な方。
手早く記事の内容を理解したい人は、
記事の要約をご覧ください。
続編の記事では、 論理的思考(ロジカルシンキング)を身につけるための心がけや鍛え方を紹介する予定です。
1.論理的思考とは?
元ITコンサルティングファームに勤めていたとり天です!
多くの社会人や就職活動中の大学生の方など、
“論理的思考”や“ロジカルシンキング”という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。
また、教育課程でプログラミング教育が必須になりました。
小中学生をお持ちの親御さんも
“プログラミング的思考”や“論理的思考”を耳にはさむようになったのではないでしょうか。
一度は聞いたことがある“論理的思考”。
どのような考え方を言うのでしょうか。
この記事では、
・小中学生が学び、身につける論理的思考とは何か?
・多くのビジネスシーンでなぜ論理的思考が必要なのか?
について説明していきたいと思います。
続編の記事では、 論理的思考(ロジカルシンキング)を身につけるための心がけや鍛え方を紹介する予定です。
1.1.論理的思考の意味、解釈
まずは辞書に記載されている意味を確認しましょう。
論理的思考をWeblioで検索すると実用日本語表現辞典では以下のように説明されています。
論理的思考
論理に基づいて思考する能力(の高さ)という意味で用いられる表現。道理や筋道に則って思考を巡らせて結論を導いたり、あるいは、複雑な事柄を分かりやすく説明したりできる能力として主に捉えられる。英語の logical thinking(ロジカルシンキング)の訳語としても用いられる。
「論理に基づいて」とありますが、
デジタル大辞泉によると「論理」とは
とあります。論理
考えや議論などを進めていく筋道。思考や論証の組み立て。
思考の妥当性が保証される法則や形式。
つまり
論理とは何か規則性や法則を用いて考えを整理することを指しており、
その規則や法則のおかげで考えの確からしさや分かりやすさを高めてくれるものなのです。
その上で論理的思考とは
規則や法則により適切な因果関係や順序で情報が整理され、考えや思考が分かりやすいこと
と言い換えることができます。
上記の理解をした上で論理的思考を
- 物事を構成する要素に分解する考え方
(=規則性を見つけること) - 適切な順番に組み立てる考え方
(=考えを分かりやすく示すこと)
の2つに分解して説明していきます。
でも、具体的にどんな考えはまだわからないな。。。
では
具体例を交えながら、論理的思考力の詳細を見ていきましょう。
1.2.具体例から考える論理的思考
1.1.論理的思考の意味、解釈の中で、
論理的思考を次のように説明しました。
- 物事を構成する要素に分解する考え方
(=規則性を見つけること) - 適切な順番に組み立てる考え方
(=考えを分かりやすく示すこと)
では、それぞれがどのような能力なのか見ていきましょう。
物事を構成する要素に分解する考え方
「物事を構成する要素に分解する考え方」は
包含関係の整理になります。
包含関係の整理は 情報の色分け・色付けの役割を果たします。
高校数学で習ったベン図がそれになります。
包含関係の整理は
- 具体化
- 抽象化
- 補集合(内と外)
の3つに細分化できると考えています。
では、それぞれ個別にみていきましょう。
具体化
具体化とは、
集合体に存在する細かい対象(例)を見つけることです。
犬を例に考えます。
まず、犬を1つの集合体と捉えた際に、柴犬やチワワなどの犬種が思い付くことでしょう。
このように細かく分類することが「具体化」です。
細かい犬種に分ける前に、和犬や洋犬と言った分類の仕方も具体化の1つです。
当たり前ですが犬の集合体には
アメリカンショートヘアやマンチカンなどの猫は属することはできません。
具体化はその集合体から出ない範囲で対象を見つけなくてはならないので注意してください。
抽象化
抽象化とは、
ある集合体を含む大きな集合体を見つけることです。
再度犬の例で考えましょう。
犬は哺乳類という動物の分類の1つです。
このようにある集合体(犬)を含むより大きな集合体(哺乳類)を見つけることが抽象化です。
哺乳類には猫もいればネズミもいます。
また、哺乳類は動物であり動物の中には鳥類や魚類も含まれます。
図として捉えると、こんな感じになります。
抽象と具体は逆の関係であり、相対的な位置関係が重要になります。
哺乳類の中から犬という特定の種類を見つけることは「具体化」になります。
犬という特定の種類から哺乳類という大きな集合体を見つけることは「抽象化」になります。
補集合(内と外)
「補集合」とは、
簡単に「〜ではない方」という考え方です。
犬という集合体を考えた際に、
「犬ではない」が補集合になります。
集合体に属さないものが全て補集合の対象になります。
ただ、補集合を考える際には抽象化と合わせて考えることが一般的です。
と言うのも、
犬の外を考える際には、「動物の中で犬ではないもの」と考えて対象を絞ることができます。
動物という抽象化を行うことで
鳥類、魚類、哺乳類などの具体例をイメージしやすくなります。
Tips:対照(タップで表示)
補集合似たような考え方として「対照」があります。
対象とは「白と黒」「男と女」など二項対立に対する考え方です。
明確な二項対立が存在する場合には「対照」でものを考えるのは問題ありません。
二項対立が存在しない場合(先程の例で言うところの、犬ではないものに複数の回答がある場合)には、
必ずしも対照関係が成り立たないことは理解してください。
Tips:MECEとロジックツリー(タップで表示)
論理的に考えるのに重要な要素として、
漏れやダブりがない状態に思考を整理することであり、このような考え方をMECE(ミーシー:Mutually Exclusive Collectively Exhaustive)と言います。
また、可視化の仕方として階層的に整理する方法をロジックツリーといい、このような体型的な理解をすることで物事の理解を整理することにも繋がります。
適切な順番に組み立て直す考え方
『物事を構成する要素に分解する考え方』の次は、
『適切な順番に組み立てる考え方』です。
『適切な順番に組み立てる考え方』は
順序や因果関係の整理になります。
順序や因果関係の整理は
会話や議論の道案内の役割を果たします。
ことわざ
「ツバメが低く飛ぶ時は雨」
を例に考えてみましょう。
「ツバメが低く飛ぶ時は雨」ということわざは
鳥のツバメが低く飛んでいると雨が降りやすいことを示しています。
ことわざは過去の言い伝えや先人たちの知恵の集積なので
科学的に正しいとは限りません。
あらためて「ツバメが低く飛ぶ時は雨」について考えると、
・雨でツバメの羽が重くなるから?
・そもそも本当なのか?
など疑問が湧いてくることでしょう。
このような疑問は
因果関係の説明が不足していることが原因です。
不足している因果関係とは以下の2つです。
- ツバメが低く飛ぶのはなぜなのか?
- その理由と雨が降ることは関係があるのか?
それらの情報を補うと以下のように整理できます。
・ツバメが低く飛ぶ➡︎湿度が高いと餌である虫が低く飛ぶため
・低気圧で湿度が高い➡︎雨が降りやすい
よって、
ツバメの餌である虫が低く飛ぶ時は、低気圧で湿度が高いので雨が降りやすい
と言えるでしょう。
上記の例でわかることは
順序や因果関係を整理することで、
- 議論の確からしさを高めてくれる
- 段階的に話を進めることで議論を分かりやすくする
では、順序と因果関係とは具体的にどのようなものなのでしょうか。
似たところがありますが、細かく見てみましょう。
順序
例文1:朝起きてコーヒーを飲んだ
これは順序の例だと言えます。
起きるという動作の後にコーヒーを飲むと言う動作を行なったことを示しています。
この2つの動作には順序がありますがこの2つの事象に因果関係はありません。
因果関係
例文2:雨が降って地面が濡れた
これは因果の例だと言えます。
順序も存在しますが例文1と比較するとコーヒーを飲んだのはただの気まぐれかもしれませんが、 地面が濡れたのは雨が降ったからだと明確に言うことができます。
因果関係は、物事の前後関係を説明するだけでなく原因と結果を説明できます。
つまり、A(原因)→B(結果)の関係が成り立つということはBはAの手段とも言えます。
例文3:雨が降るならば(A:原因)、傘をさす(B:結果)
例文4:雨に濡れないために(A:目的)、傘をさす(B:手段)
上記のように、
因果の整理が正しくできるようになると、手段と目的を整理・理解できるようにもなります。
1.3.論理的思考はどう役立つか?
論理的思考が可能にすること
包含関係により情報を整理し、
順序や因果関係を整えることが分かりやすさを与えると言うことを説明してきました。
論理的思考の利用を考える前に、
論理的思考を身につけると何ができるのでしょうか。
具体的なメリットを知りたいな。
誤解が生じないように先に伝えておくと
論理的思考=必ず正解を導くことの出来る思考・考え方と言うわけではありません。
再掲になりますが論理的思考とは、
規則や法則により適切な因果関係や順序で情報が整理され、考えや思考が分かりやすいこと
と言えます。
つまり論理的思考とは
自分の考えていることを整理して伝える能力であって、その考えが絶対に正しいことを伝える能力ではないのです。
少し身近な例で考えましょう。
友人や家族からの質問「今日の夜何食べたい?」に対して、
「昨日食べた系統は避けたいな。昨日は唐揚げを食べたから、2日連続揚げ物、肉料理を避けたいから魚介がいいな。あと、今日は寒いから刺身よりは鍋みたいに温かいものがいいな。」
と答えたとしましょう。
この回答は、魚介を使った温かい料理を食べたい理由を説明してはいますが、
魚介を使った温かい料理が今日食べるべき料理であると説明しているわけではありません。
・その案を最適だと考えた理由
・それ以外の案を不適だと考えた理由
を相手に伝えることができるのであって、“この案が正解である!”と説明できるわけではないのです。
論理的思考がビジネスで求められる理由
論理的思考が可能にすることは
・その案を最適だと考えた理由
・それ以外の案を不適だと考えた理由
を相手に伝えることのできる考え方だと説明しました。
相手に自分の考えていることを正確に伝えることは、
ビジネスにおいて重要なポイントです。
なぜなら、ビジネスでは以下のような場面が多々想定されます。
- 売上を伸ばすためにA案が最善だとプレゼンテーションする →なぜA案なのか?B案やC案より優れている理由が必要。
- 上司に今後の作業の進め方を報告する →自分の考えた進め方が最良だと判断した理由が必要。
- 失敗をした際に次に失敗しないための対策を考える →なぜ失敗したのかを要素に分けて考えて打つべき対策の検討が必要。
このようなビジネスシーンにおいて、
“なんとなく”や“そう感じたから”では相手が納得しないのは当然でしょう。
(自分がされたら、当然納得しないですよね?)
また、
「売上を伸ばすためにA案が最善だとプレゼンテーションする」
という場合において、
Aが最善だと考える際にも、
・売上とはそもそも何か(ある物事を構成する要素に分解する)
・Aというアクションがなぜ売上を伸ばすのか(適切な順番に組み立て直す)
を整理しないと、お客さん(クライアント)や上司に考えを伝えることはできません。
なぜなら、相手はあなたと同じように考えているわけではないからです。
あなたと同じ視点で考えてもらい、あなたと同じ考え方で判断してもらうためには
論理的思考を用いて考えを整理・可視化する必要があるのです。
論理的思考が求められるビジネスシーン
あなたが
・経営アドバイザー(経営コンサルタント)
・エリアマネージャー
・新規開発事業の担当者
などの立場で突然こんなことを言われたとしましょう。
その場合、どのような案を考えることができるでしょうか。
パッと思い付きベースで考えると
・「新商品を出す」
・「SNSを使って広告を出す」
・「(大量仕入を行い)仕入費用を削減する」
などいくつか案は出てくることでしょう。
しかし、お願いしてきた人が、
「なぜそれらの案が有効なのか」
「他に方法はないのか」
と言ってきたらどのように説明すればよいでしょうか。
考えた案は有効かもしれません。
しかし、思い付いたベースで案を考えていると、
「なぜ?」に対しては何とか回答できても、
「他には?」に対して答えに窮してしまうことが多いのではないでしょうか。
では、
論理的に考えるとどうなるでしょうか?
想定したビジネスシーンで論理的思考を実践する
まずは分解する能力を活用しましょう。
非常にざっくりとした計算ですが、利益とは
「売上ー費用」によって求められます。
つまり、利益を構成する要素とは、
・売上
・費用
と言うことになります。
Tips:抽象化はどこまでも深くできる
利益は計算によって導かれるものなのでその計算に使われる項にまで分解していますが、分解の仕方はその物事や考える内容によって異なります。
例えば、車を考えた場合、 1台の車を考える際には構成する要素は、ボディ/タイヤ/ハンドルなどのパーツに分解できますが、車という乗り物を考える場合には、大型/中型/小型などの大きさで分けたり、乗用車/パトカー/救急車などの種類で分けたりすることもできます。
何が言いたいかと言えば、 要素の分解の仕方はその物事と考える内容の掛け合わせによって決まるため、対象が決まれば必ず一意に決まるわけではありません。
では、話を戻して構成する要素に分解することでどのように考えることができるか細かく見ていきましょう
計算においては、売り上げがプラスで費用はマイナスになるので
利益を上げるためには
・売上を増やす
・費用を減らす
のいずれかで利益を大きくすることができます。
このように要素に分解しつつ考えることで、
- 自分が理解していることを示せる(自分も迷子にならない)
- 何のための案なのかを考えやすい(売上を上げるため or 費用を下げるため)
- 抜け漏れを防げる(売上、費用どちらか一方に偏らなくなる)
では、売上を増やすことに焦点を当てつつ、さらに細かく要素を分解してみましょう。
利益の時と同様に売上とはどのように構成されているかというと、
売上=単価 × 販売数量
という掛け算に分解することができます。
すると、「単価」か「販売数量」を増やすことで売上を上げられることがわかります。
販売数量は
店舗・サイト訪問率×購入確率×購入数
と分解することもできますが、ここまで分解してしまうと全体がぼやけてしまうのでやめておきます。
売上=単価 × 販売数量に戻ります。ここまで分解した上で思い付きベースの案
・「新商品を出す」
・「SNSを使って広告を出す」
・「(大量仕入を行い)仕入費用を削減する」
がどの要素に結びつくか整理していきましょう。
・新商品を出す
⏩商品のラインナップが増えるので、販売数量の増加に繋がります。
・SNSを使って広告を出す
⏩広告を見てユーザーが増加すれば販売数量の増加に繋がります
・(大量仕入を行い)仕入費用を削減する
⏩変動費の削減に繋がります
改めてになりますが、このように論理的思考を駆使しながら考えを整理することで、
自分が何に対してアプローチしているかを可視化することができるため
- 自分が理解していることを示せる(自分も迷子にならない)
- 何のための案なのかを考えやすい(売上を上げるため or 費用を下げるため)
- 抜け漏れを防げる(売上、費用どちらか一方に偏らなくなる)
また、考えていないことも明確になるので、 不要の判断をしたのであれば、その理由を考えないといけないという思考も生まれます。
今回は思い付きの案をベースに考えてしまいました。
実際には、論理的思考で考えた多くの案が出るはずなので、その中からより目標を達成するために有効だと思われる案を採用することになることでしょう。
記事のまとめ
・論理的思考とは、物事を構成する要素に分解する考え方と適切な順番に組み立てる考え方である。
・物事を構成する要素に分解するには抽象化・具体化と補集合の考え方が有効である。
・適切な順番に組み立てる考え方とは、順序や因果関係を整理することである。
・論理的思考とは自分の考えを整理して伝える能力であって、その考えが絶対に正しいことを伝える能力ではない。
参考にした本
終わりに
いかがだったでしょうか。
論理的思考とは何かを少し身近な例を参考にしながら、理解して頂けたのであれば幸甚です。
論理的思考は正解があるものではないですが、大枠の概念を理解することで、
日常での会話や考えの整理が少し違ったものになることでしょう。
ただ、恒常的に実践するとなると、その機会は少ないのも事実です。
論理的思考を鍛えたい・向上させたいとお考えの方は次の記事がオススメです。
コメント